高校生マフィア

「爽樹…」
「…あたしも、一緒に行く」

隣の家の玄関から出てきた、私服の爽樹が居た
できるだけ笑顔で、笑いかけた

「ただ卓真達と遊ぶだけだぜ?」
「嘘。陸、何か木曜日の夜から変だよ」
「そうか?それにお前、今日部活じゃ…」
「…部長が、今日は中止だって」
「そ、そっか…」

バド部の部長は、確か…春樹だったな…
部活で、部長が居ないと怪しまれるから、中止にしたのか?

「心配なの。陸、何か危険なことに巻き込まれてそうで…」
「………」

俺は、爽樹が心配で、爽樹に何も気付かれないようにしてたのにな…

「それに…雪姫だって絡んでるんでしょ?」
「いや…雪姫は…」
「あたし、陸だって心配だし、親友だって心配なの。それって…ダメなことじゃないよね?」

全然、悪くない
でも……

「……大丈夫。自分の身は、自分で守るから…」

爽樹の瞳は、真っ直ぐ俺を見つめていた
本気で、俺を心配してくれて、雪姫も心配してるんだな…


いざとなったら、俺が皆を護る

「…じゃあ、行くぞ?」
「うん」

2人で並んで、走り出した