「あれ、兄貴、今日部活だっけ?」

トーストの最後の一口を食べていると、海が起きてきた

「あー…今日はちょっと出かける」
「ふーん…あ、新聞」
「ん」

海に新聞を渡した
海はそれを受け取って、テレビ欄を眺め始めた

「じゃーな」
「いってら…土産よろしくー」
「それ目当てか」

笑って玄関に出したスニーカーを履いた

がちゃん。と外に出た
ケータイの時計をチェックすると、約束の時間まで30分
…余裕だな。俺の家から学校まで20分くらいだし
いつもは爽樹と一緒に行くから喋ってて30分くらいかかるけど

…今日は、爽樹を置いていく
爽樹も連れて来る予定らしいけど、爽樹に、またあの日の夜みたいな危険な目に遭わせるわけにはいかねぇし

「…さて、行くか」




「あたしも、行く」



すぐ隣の家から、爽樹の声がした