「ホストの兄ちゃん…!!」
「!!」

げぇっ!!
つい声デカくなっちまった!
ホストみたいな兄ちゃんが、俺の声に反応した
やべー目合ってるんだけど
つーか、このホストの兄ちゃん、俺の名前出してたらしいじゃん(あと雪姫も)!!

「…春日 春樹君?」
「……は、ハイ……」

俺が緊張するなんて珍しいんだぞ畜生!!
つーか卓真の話聞く限りじゃ怪しさこの上無ぇじゃんよ!!

俺が精神的に汗ダラダラ流していると、兄ちゃんが困ったような微妙な顔つきで笑った

「その様子だと、もう卓真君から色々聞いてるらしいね」
「…ハイ……」
「そっか。じゃあ、協力してもらえないかな?俺に」
「…ハイ……」

…ってぅおおおい!?
ちょっと待て!何言っちゃってるんだ俺!!
流れで、つい言っちまったよ!!!!
俺が焦っていると、兄ちゃんは少しビックリしたような嬉しいような顔になった

「本当?よかったあ。皆拒否しちゃうから困ってたんだ」

いやいや!!俺だって今拒否しなかったのを後悔してるんですけど!!

「じゃあ、今週の土曜日にこの場所に来てくれるかな」

俺の心の叫びも届かず、何やらメモした紙を俺に渡した

「ぁあ…ハイ……」

そして、ニコッと笑って頷くと、俺に一言「お休み」と言って車に乗った
1人残された俺は、ぽつんと暗い道で紙を握っていた

「…やっべーよ……」