「おーい、爽樹ー」

体育館の1階で空手部の練習が終わって、2階に上がった
いつも爽樹と一緒に帰るから、どっちかが早く終われば迎えに行く
何で一緒に登下校するのかは分からない
付き合ってるワケじゃないし。ただ家が隣同士の幼馴染ってだけで一緒に登下校してる
それって何か変かな
俺も男子と一緒に歩いた方がいいのかな?
ホラ、爽樹がもし、好きな男子が居たら、そいつに勘違いされたら爽樹がかわいそうだし

入り口から中を覗くと、バド部はネットを張って、まだまだ練習中だった

「あー、陸ー!」

爽樹がタオルで汗を拭きながら俺の所に走ってきた

「ん。どー?終わりそー?」
「あー…いや…今週新人戦だから…もうちょっとかかりそうかも」
「そっか。じゃあ待っとくな」
「え!?」

軽く手を上げて階段を降りようとすると、物凄いビックリした爽樹の声が背後から降ってきた
俺がつられてビックリして、バッと顔を上げると、入り口から身を乗り出した爽樹が明らかにビックリしていた

「え…何か都合悪かったか?」
「いやいや!全然悪くないけど!!待ってくれなくても大丈夫だよ?もう外暗いし!」
「だから待ってるんだって」
「はっ!?」

また、ビックリした

「ななな何で!?」
「何でって…外暗いから。爽樹、1人じゃ心配じゃねえ?」
「はは…や、優しんだね陸は…」
「普通だろっ」
「あ、ありがとうっ!でも、マジで時間かかるし、いざとなったら走って帰るし!大丈夫!帰ってて?」
「そっか?」
「うん!ゴメンね!ありがと!!」

「じゃ…気ぃ付けてなー」

ひらひらと手を振って階段を降りた