「はァー!?」
「…五月蝿い」

俺の隣で推理小説を片手に奇声を上げる友達に眉をしかめた

「つか、こんなん絶対分かんねーし。何で犯人がこーなんだよ!!」
「読んでれば確実に分かるだろ」

俺は、新しく買った推理小説のページをめくった

「え、じゃあ慧、この話の犯人分かった!?」
「勿論」
「何で!?どこで!?どの部分で!?」
「事情徴収した場面の発言で」
「何でだよ!?確実にアリバイ成立じゃねえかよ!!」
「…うるせえな……」

溜息をついて読みかけの本を閉じて友達の呼んでいる本のページをパラパラと前に戻した
そして、俺が犯人と推理した(当たっていたが)人物の発言している行を指でなぞった

「だから、ここで犯人は自室に居て、被害者が落下したのを見てるって言っただろ」
「普通じゃん」
「…はあ」

また1つ溜息
何で分かんねぇのかな

「だから、事件のあったマンションの構造思い出してみろよ」
「……んー」
「12階建て。1つの階には部屋が8つ。円形で1つの階になっている」
「…だめだ」

友達は頭を抱えた

「俺、全っ然頭の中に浮かばねえ…!」
「…じゃあいい。俺の説明聞いてろよ」

そこまで悩む場面じゃねぇだろ