とんとん

はき慣れたスニーカーを履いた

「………っし」

ウインドブレーカーのフードをかぶって、外に出ようとした
すると

ひた ひた ひた って
裸足で大理石の床を歩く音がした

「??………」

振り返ると

「……爽樹」

制服のシャツとスカートを着て
裸足の爽樹が俺を見ていた
いつもと違う。何か、無気力っつか

「陸…行くの?」
「んぁ…ああ。これからな」
「……ッ」

一瞬、爽樹が苦しそうな顔をした
そして、俺に近づいて、顔を見上げた

「陸、ケガ、しないでね。気をつけてね……



死なないでね」


「し……ぬ…?」

ぴた。と
俺は、笑っていた顔がだんだん崩れていくのが分かった
抑えて抑えて押さえ込んできた、1番恐ろしい言葉が爽樹の口から出てきた