《ガガッ》

「!!」

通信が途絶えていた無線機から音が聞こえた
すぐに耳に近づけて言葉を待つ

《……ッ慧…ッ》

息を切らした春樹の声が聞こえた
なるべく冷静な声を保(たも)って、パソコンのキーボードを叩きながら対応した

「春樹、お前と藁間の現在地が分かった。俺の指示通りに走れ」
《…分かった…っ》

画面の中で、赤い光が点滅しながら動いている
春樹。と藁間だ

「今走ってる廊下をとにかく真っ直ぐ走れ。突き当たりまで走れ」

《ハァッ ハァッ …ハァッ》

苦しそうな息遣いが耳元で聞こえる
普段能天気な顔をしてヘラッとしている春樹の荒い息声が聞こえると、手に汗が浮かんだ

赤い光が突き当たりに着いた

「そこを右。階段の横の壁に隠された出口があるから」
《右な…っ?》

すぐに、カンカンカン。と階段を駆け下りる音が聞こえた
そして、ピッ。という機械音も

「―――…助かった…」

息を吐いて、椅子に座った






《バンバンバンッ》

《わぁああぁぁあッ!!!!》



「ッ!?」