それがクラス替えのない3年生でも続くと思っていたが、これ以上女子を刺激するのは懸命ではないと考えた私は登山兄弟から離れてしまった。
しかし、それは逆効果だった。
休み時間も登下校もフリーになった標的は格好の獲物で、‘イジメ’は悪化する一方だった。
所詮、私は龍ちゃんと諒に守られる存在だった。
それでも、私は誓ったのだ。
龍ちゃんと諒に絶対に後悔させないと…。
私は変わった。
どんなに悪口を言われようも、どんなに冷たい視線を向けられようとも、どんなに殴られようとも…
絶対に‘イジメ’には屈しなかった。
側から見たらその姿はまさにゾンビのようだっただろう。
そんな私を恐れたのか、はたまた只‘イジメ’に飽きたのか、中3の秋を迎える頃には‘イジメ’は姿を現さなくなった。
だから、2度目の‘イジメ’のことは2人は知らない。
きっと私がどれだけ強くなったのかも知らないんだ…。

