「親友の夢を応援する、親友のためになにかしてあげたい、そんなことを考えられるあなたは、とても優しい素敵な人です」

ヴァイオレットは、ルートヴィッヒに何もできなかった。ルートヴィッヒが真剣に言ってくれた「愛している」の返事さえも返せなかった。

だからこそ、誰かのために動こうとする人を見ると全力で応援したくなるのだ。ヴァイオレットは植物図鑑のページをめくる。

「この花を贈るのはどうでしょうか?」

蝶のような花びらの花をヴァイオレットは見せる。ローズが「スイートピー……ですか?」と呟いた。

「スイートピーの花言葉は、「門出」、「優しい思い出」、「永遠の喜び」、「私を忘れないで」そして「蝶のように飛躍する」です」

「とっても素敵ですね!!その花を贈ります!!」

ローズは泣きながら笑う。その笑顔は、あの時のルートヴィッヒと重なり、ヴァイオレットの視界が一瞬ぼやけた。