それから一年後、トーリスから手紙が届いた。

アイリスは穏やかに息を引き取ったそうだ。トーリスに見守られ、苦しむことなく旅立った。

「……ご冥福をお祈りいたします」

手紙を読みながら、ヴァイオレットは涙をこぼした。

そして、願う。トーリスの隣にルートヴィッヒのような人が現れることを……。