花言葉を教えてくれた、たくさんの美しい景色を見せてくれた、感情を思い出させてくれた。

ルートヴィッヒとの懐かしい思い出を振り返るたびに、ヴァイオレットはあの花を渡しておけばよかった、と後悔する。

「パーシーさん」

ヴァイオレットは、パーシーに植物図鑑を見せた。そこにはピンクのバラの花が載っている。

「このバラとともに、お姉様に気持ちを伝えませんか?ピンクのバラの花言葉は、「感謝」です」

パーシーは目を見開き、そしてヴァイオレットに初めて優しい目を向ける。そしてゆっくりと頷いた。