パーシーは舌打ちをすると、ヴァイオレットを睨みつける。教師が咎め、ヴァイオレットは「大丈夫ですよ」と穏やかに言った。

「とりあえず、彼を放していただけませんか?そうでないとお話ができません」

仕事柄、問題児についての相談も何度もヴァイオレットは聴いている。問題児と直接話したこともあるので、多少のことでは驚いたりはしない。

教師はブツブツ言いながらもパーシーを放す。そして、パーシーとヴァイオレットは相談室へと入った。

「ハーブティーです。どうぞ」

ヴァイオレットがそう言いティーカップを差し出すと、パーシーはそれを受け取った瞬間にハーブティーをヴァイオレットにかける。

ヴァイオレットの着ている緑のワンピースドレスに、ハーブティーのシミができる。出来立てを渡していたら火傷をしていただろう。ヴァイオレットは、ハンカチで体を濡らしているハーブティーを拭いた。

「……ったく、せっかくダルいチェスの授業をサボろうとしたのにこんなところに押し込められるなんて、本当についてない」