ディモルフォセカの涙


「会って話すことは……」

「今は無理ね!

 連絡の取りようがないもの
 
 アッチから連絡があれば
 カナタさんのこと伝えることは
 できるけど……

 この話を聞いたからといって
 帰って来るとは思えない」


 例え、自分が蒔いた種で誰かが苦しもうとも、当人にはまったく関係のない話だと彼女は話を続けた。


「あの人の帰りを私達はただ
 待つしかないの

 ごめんなさい」

「君が謝ることじゃない!
 
 ただ、本人の口から聞かない事には……」


 それが事実であるかどうかは、わからない。


「私が妹であること

 カナタさんは認められない?」

「話してもらって悪いが、今は無理だ」

「そう、そうよねぇ

 私達はまだ本当の兄妹だと
 決まったわけじゃない!

 だったら、赦されるわよね

 神様だって目を瞑ってくれるはずだわ

 そうよ、そうに決まってる!

 私ったら、何をそんなに……」

「いったい、何の話だ?」

「ううん、何でもないわ
 
 こっちの話よ

 さあ、温かいお紅茶飲みましょう」


 さっきまでの暗い表情が嘘のように、彼女は朗らかに笑う。


「とりあえず話は済んだな

 これ飲んだら帰れよ」