ディモルフォセカの涙


「そうね、私が一番分かってる
 
 教室で過ごす時間は二人にとっては
 かけがえのないもの

 それは、私には普段のことであって
 いつもの普通の日常だった

 間違えた私はその大切な時間を
 無くしてしまった
 
 ユウさんはもう、あそこには来れない」


 彼女は自分の行いを責め、瞳を潤ませる。


「ああ、軽率な行動のせいでな

 今度からは芸能人と付き合ってること
 もっと深く受け止めるんだな

 ユウも君も傷つくことになる」


 少し言い過ぎたかもしれない。----彼女は俯いたまま、ポツリと呟く。


「ユウさん

 昨日のこと許してくれるかなぁ?」

「ユウは、許すさ

 心配ない」

「……よかった」


 ホッと安堵してみせる彼女は、ユウのことを本気で想っているのだろう。

 今回のことは、間違いだったということにしておこう。

 彼女の言う、普通。----ユウの場合は、その、ごく普通のことが普通ではなくなる。


 黙り込んで一人考える彼女に、俺はまだ聞かなければいけないことがあった。