「……なぜ?」----そう俺に問いかけた後、彼女はそのまま眠りについた。


 その後、酒に酔った彼女とひと悶着あった末に、俺はしかたなく彼女をここへ連れて帰って来てしまったわけで……

 彼女は今、俺のベッドを占領してスヤスヤと眠っている。

 この部屋の主である俺はというと、ハーフケットの毛布を掛けてソファーで眠る始末。

 横向きになり折り曲げた足、体勢も悪く、なんとも寝苦しい……


----こうして、長い夜は終わり、鳥の囀る声と共に朝は来る。

 俺の眠りを妨げるその声よ、どうか消えてくれ。


「えっ!うそうそっ、ここどこ?

 えっ?知らないんだけど

 えっ、うそっ、何これ」

「いい加減にしろ!
 
 朝から大きな声出すなよ」

「うわっ!ごめんなさい
 
 私ってば、まさかカナタさんの部屋に!
 ベッドまで、うわー、どうしよう私」

「うるさい!

 うるさいよ、おまえ
 少しは落ち着いて、静かにしろよ」

「ごめんなさい」


 怒って目が覚めてしまった俺は体を起こす。すると、左腰辺りに鈍い痛みを感じた。

 ソファーに腰かけ痛めた腰を擦りながら、昨夜のことを話す。