その後、ワークショップの疲れが出たのか実花さんが三日ほど熱で臥せっていた為、私は実花さんの看病をして時を過ごした。

　目覚めた実花さんは、横になっていたベッドから体を起こして座る。私は、お水を手渡した。


「具合どう、大丈夫？」

「うん、もう大丈夫」

「本当、よかった」

「ユウさん、ごめんね
　迷惑かけて」

「ううん、何も！

　迷惑なんてかかってないよ」

「ユウさん、ありがとう」


　しおらしい実花さんの態度に戸惑う私に、実花さんは隣に座るようにと促すといつもよりも元気のない声で問いかけた。


「どうしても気になることが
　あるんだけど、聞いてもいい」

「うん、何？」

「ユウさんと彼、カナタさん

　従兄妹だよね？」

「うん、そうだけど……」

「本当のところは、どうなの！？」


　急に声色を強くしたかと思えば私のことを疑いの眼差しで見つめる、そんな実花さんに私は驚く。返答しない私に、実花さんは会話を続けた。


「ごめんなさい、カナタさんてその
　ユウさんに対して少し他人行儀な
　ところがあるなと思って

　接し方が……」

「ああ、うん
　カナタは昔からああだから

　ちょっと遠慮してるんだと思うよ
　っていうか、そう思いたい！

　他人行儀だとは思いたくない」

「それは、本当は他人だから？」