ディモルフォセカの涙

 ド、ド、ド、レ、レ、レ、次にどのタイミングでどれくらいの長さの音で繋げるか、みんなで考えてゆく、するとメロディーが出来上がる。

 それは、聞いたことのある曲のフレーズにとてもよく似ている音かもしれない。だけど、それでもいい、そんなことはどうでもいい。

 連ねて、並べて、奏でる音----


「もう少し長く、どう?」

「うん、すごくいい」

「どうしよう」

「好きな曲はある?
 
 そこから一音もらおうか」

「うん」


 どうすればいいのか、どんな音を出せばいいのかと困っていた子供達の顔がにこやかに微笑んでみんなが笑顔になる。みんなが幸せになる。


「みんな、よーく頑張りました

 素敵な曲のできあがり

 それではみんなで弾いてみましょう

 ゆっくりでいいよ、間違ってもいいよ」


 実花さんは子供達と一緒にピアノで音を奏でている。フルートやチェロを奏でる先生もいる。

 一生懸命に音楽と向き合う子供達、その音色に優しく音を重ねハーモニーを作り出す先生。

 実花さんの伴奏は、縁の下の力持ちとなり、素敵な音楽が出来上がる。

 子供達の眼差しに胸打たれた私は、この感動を音楽で表現したいとそう強く思った。

 作曲したくてたまらない----そんな気持ちでいっぱいになるのだった。