ディモルフォセカの涙

「作曲と言っても、ほんのワンフレーズだよ
 そんな大層なものじゃない」


 グループ事に、皆が出した一音一音を組み立ててメロディーにする。

 それを最後には全て持ち合わせて、実花さんや先生方の手によって何とか曲にする。


「曲になるんですか?」

「そうだね、君が今思っているような
 完璧なもの(曲)にはならないよ

 でも、ここでは、完璧なものを作る
 必要なんてないんだ

 ヘンテコな曲でも、何でも全然オッケー

 もちろん、少し手を加える場合もあるけどね

 まあ、見てるといいよ

 というより……」

「オオタさん?」


 太田さんは私の腕を取るとニッコリと微笑んで言う。


「君はプロ、参加しない手はないね

 さあ、みんなユイ先生も参加するぞ」

「えっ、あっ、はじめまして」


 私が太田さんに誘われて参加する姿を見ていた実花さんは、困っている私にニッコリと微笑んで「うんうん」と頷いてみせた。

 私にできるかな、大丈夫かな~。

 私は白ウサギさんグループの子供達の輪に入れてもらって、太田さんと一緒に子供達が出す音を一音一音繋げてゆく。

 ドレミ、ド、シラ……高い音に低い音、幾つもの音が流れるように連なる。