鏡を見ているように私達は互いの髪に、頬に、首筋に、そして胸にそっと優しく触れてみた。

 あなたの後を追い、真似するだけの私の手が勝手に動く。

 あなたの頬に触れ、今度は私からあなたへ優しいキスをひとつ、あげる。

 キスをした後、クラッとする私の目の前がボーっとぼやけてゆく。

 一面が、真っ白になる----


「ユウ、のぼせてる?」

「うん」

「上がろうか

 アイスティー、淹れてあげる」

 
 この行為を、ただのお遊び、お医者様ごっこだと誰かが言うのならば、そうかもしれない。

 
 だけど、この夜に、わたしは誓う!

 そう、あなたにあげる、わたしのすべてを。

 あなたが望むもの、その全てをあげる。

 
 私はもう、振り返らない。

 
 窮屈なドレスに、この身をきつくきつく縛られようとも。