ディモルフォセカの涙

『本当に大切なもの、その何もかもを彼女に食われてしまわないように』


「本当に、たいせつな、もの……」


『ユウ』

 
 私はそのまま、深い眠りについた。

 翌朝----実花さんからの電話で目覚めるまで、私は眠り続ける。

 何も見たくないし、何も知りたくない。


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 翌朝の実花さんの声はとても元気いっぱいハツラツとしていて、何か嬉しい出来事でも合ったのだろうかと思えば----『徹夜だよ』との声、変なテンションなのは昨夜、音楽教室に泊まって園児達に贈るクリスマスプレゼントを詰めていたらしい。


「何も徹夜までしなくても……
 手伝ってあげられたのに」

「うそうそ、正直言うとね
 途中、眠っちゃったんだよね

 それに、ユウさんに
 手伝ってほしいことは他にもあるの

 教室の飾り、一緒に作ってくれる?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、家で待ってる

 そうだ、帰って少し眠るから
 急がなくていいよ」

「うん」

「あっ、でも
 なるべく早く帰って来てね

 ユウに早く会いたいから」

「うん、すぐ帰るね」


 帰る----そこは私の帰る場所で、ここも私の帰る場所。