ディモルフォセカの涙

 離れる手----私の顔を覗き込む実花さんの瞳はじーっと一点、私だけを見つめてとても悲しい顔をする。約束は守られない時、人をひどく傷つける。


「ごめんなさい」

「うそうそ、困らないで
 ユウが来てくれるなら私嬉しいよ

 そうだ!こうしよう
 無理を承知でこちらからお願いするわ
 
 ユウさん、来られたらでいいので
 是非とも、我がワークショップに
 お立ち寄りください」

「はい、その件、了承致しました」

「ふふっ

 でも、ユウだとは絶対に分からないようにね」

「うん、そこは絶対に!」


 笑い合う私達は、どちらからともなく離れた手をもう一度繋ぎ合い、そして見つめ合う。

 朝の陽ざしに輝く、実花さんの艶のある綺麗な髪……あなたの瞳には、私は今どんな風に映っている。

 見つめ合う二人----私よりも先に閉じる実花さんの瞳、私もこの目を閉じた。

 触れ合う唇は離れることはなく、ベッドに深くなだれ込む。華奢な実花さんの体が私に覆いかぶさると彼女の長い髪がはらりと私の胸元に落ちた。

 ドキッとする私の胸----私の脳内----私はこのままどうなってゆくのだろう?