元々ラーメン屋だった所を改装した店内はカウンター席しかない。オレはいつも入口に近い端の席に腰かける。隅っこが落ち着く。サナがオレの部屋にきて隅っこに腰をおろしたのがよくわかる。ようは不安なのだ。

今では、この店にそういった感情などもっていないけれど、初めて、この店に入った時には、オレは少し緊張したし、不安を感じていた。初めて入る店は、どうも緊張してしまう。こういった感情は人によりけりなのだろうけれど、オレは少し臆病なのだと思う。

サナも同じタイプの人間のように思える。そんなサナが強引に家に居座ろうとする。サナの言った目的が何なのか気になるが、聞いたところで教えてはくれないだろうとおもう。