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「ねぇ見て見て、綺麗!」

私がある物を指さして彼にそう言うと、彼もそれに気づいた。

「ああ、コルチカムだね。イヌサフラン科の花だよ。」

「へぇ〜、良く知ってるね」

「これでも園芸部だぞ(笑)花言葉もわかる」

「え、なになに?!教えて!」
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それから私は、彼にいろんな花の名前を教えてもらった。
彼は本当に植物の事をよく知っていて、花言葉も教えてくれた。


どこか大人びた表情で、でもたまに無邪気な笑顔で、私の知らない世界を話して聞かせてくれた彼が、私は大好きだった。

いや、「だった」じゃない。

今も、だ。




花吐き病を治すのは簡単だ。
好きな人に気持ちを伝えればいい。
ただ、それだけ。



「ねぇ、好きだよ。」