「ま、陽大が教育係として付いてるなら安心だな」

「え?」

呼び捨てなんだ。


「あ、俺と陽大は同い歳なんだ。ここに入った時期も同じくらい」

「そうなんですか!」


「陽大は最初めちゃくちゃキツくてお堅い奴かと思ったんだけど、すげー優しくて面白い奴だった」

「…店長も、同じようなこと言ってました」

「やっぱ皆思うよなぁ」

私はまだ怖いイメージが抜けてないけど、本当は優しい人なのかもしれないなー…。

「葵ちゃんは高校生じゃんね?」

「はい、高2です」

「うわぁ若い。なんか猛烈に高校生時代に戻りたくなってきたー!」

「あはは」

「学校に好きな人とか居ないの?あ、葵ちゃん可愛いし告白される側か?」

ずいっと近づく坂下さんに驚いて右足だけ一歩下がった。

「えっ?いや、かっこいいなって思う人は居ますけど好きには………」

『それ、真面目に答えなくていいから』

「へっ!?」