明日の主な仕事や食器の場所を一通り私に教えるとガタッと椅子から立つ店長。
「さて、時間余っちゃったし陽大に自己紹介させようかな」
「はると……?」
「陽大はうちのバイトなんだけど明日から葵ちゃんの教育係として面倒を見てもらうことになってるから」
「そうなんですね」
教育係って、ちょっと怖そう。私の勝手なイメージだけど……。
店長はスタッフルームから出てすぐ、1人の男の人を連れてやってきた。
「葵ちゃーん!陽大連れてきたよ」
陽気な笑顔で登場した店長とは裏腹に、陽大と呼ばれる男の人は店長の後ろで無愛想な顔をしている様に見えた。
『…どうも』
「あっこんにちは…明日から入ります、花宮葵です」
やっぱり、ちょっと怖いかも。
