「…あっ、はい。明日からここに新しく入ります、花宮葵と申します!」
服装からここのバイトの人だと分かって咄嗟に名乗る。
「ああ、店長が言ってた子!俺大学1年の坂下航太(さかした こうた)っていいます。宜しくね葵ちゃん!」
先程の丸く見開いた目がふっと優しい目に変わった。
良かった、坂下さんすごくいい人そう。
「はい、宜しくお願いします!」
ペコッと90度腰を折ると
「お辞儀深っ!(笑)」
と私のお辞儀が相当可笑しかったのか、お腹を抱えて笑い始めた坂下さん。
「え、ちょ、坂下さん」
笑いが治まる兆しが見えず動揺を隠せないでいる私に坂下さんは笑いを堪えながら「店長呼んでくるから、ここで待ってて!」と、息苦しそうに伝えた。