これは聞いた話、
棗のお母さんが私に手紙を渡した時、
棗は重度の病と闘っていて、
夏休みまで生きられるかという所だったという。
でも棗は
いつも笑顔を絶やさなかったんだって。
棗の部屋にお線香をあげに行った時、お母さんが
「お別れも言えずにごめんね」
って言ってたけど、
「棗とはちゃんとお別れ出来ましたよ」
と言うとお母さんは驚いたけれど、
「そうね、棗もそう思っているわ」
と言っていた。
もう少しだけ待っていてね、棗。
心なしか写真の棗は笑っているように見えた。
「いつまでも待っているよ」
End
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