「わぁ……」



なんて幻想的で、素敵な景色。

目の前に広がる一面の天の川に、圧倒され、自然と声が出た。



少しずつ明るくなるライトの中、モデルの女性が現れる。

通りの真ん中に敷かれた銀色の長いカーペットを歩く彼女は、チュール素材の真っ白なワンピースをまとい、首や耳元にダイヤのアクセサリーを輝かせている。

なによりも、頭にのせられたダイヤのティアラがライトに反射して、歩く度キラキラと輝き美しい。



その彼女の向かいからは、真っ白なスーツを着た男性が歩いてくる。

彼の左手首につけられたブレスレットがキラキラと輝いて素敵だ。



天の川の中を、銀色のカーペットを歩いてふたりが出会う。

それはまるで織姫と彦星のようで、とても幻想的な世界を生み出していた。



すごい、素敵……。



ジュエリーブランドの広告としてだけではなく、美しさに感動を覚えるような景色に圧倒された。

この景色を作ったりモデルに依頼したりといったことだけではなく、周辺の建物への協力要請など、久我さんを中心としたみんなの苦労と努力を感じ取れた。



「すごいな、さすが久我さんだ……」

「うん……本当に、すごい」



隣に立つ馳くんも、圧倒されながら言葉をこぼす。

ここまでの景色を作り上げるなんて、さすが久我さんだ。

あんなに疲れながらも頑張って、これほどのものを生み出す彼が、やっぱり好きだと思ってしまった。



会いたいけど、会いたくなくて、そんな曖昧だった気持ち。

だけどやっぱり、会いたい。

顔を見て、すごかったこと、感動したこと、やっぱりあなたが好きだということ。全て、伝えたいと思った。