……ところが。
にぎやかな飲み会を終え居酒屋を出るみんなの中、お店の前には段差に腰かけ座り込む久我さんの姿があった。
そう、あれから久我さんは上司の相手を続けるうちに次々と強いお酒を飲まされ、結果酔いつぶれてしまった。
私を庇ったのがきっかけだし、私のせいだ……!
申し訳ない気持ちで、私は彼の前にしゃがみ込んで顔を覗き込む。
「久我さん、大丈夫ですか?帰れますか?」
「あぁ、わかってる……お前の企画書なら不採用だ」
「なんの話ですか!?」
全然大丈夫じゃない!完全に酔ってる!
肩を揺さぶってみるけれど、久我さんの目は据わっており、いつものような覇気はない。
久我さんも酔いつぶれるんだ……いや、でもだいぶ飲まされてたもんなぁ。
「じゃああとよろしく〜。2軒目行くぞー!」
「えっ!あのっ……」
上司を始め男性社員たちは、久我さんを置き去りに歩き出してしまう。
それとは逆に、イベント運営部の女性たちがチャンス到来とばかりにこちらへ寄ってきた。
「霧崎さん、久我さん大丈夫?私が送って行ってあげようかー?」
「私も〜」
ぐったりとした久我さんと、ギラギラとした目で久我さんを見る彼女たち。
その両者から想像つくのは、積極的な彼女たちに押し倒される久我さんという光景。
これは……彼女たちに送らせたら、久我さんが食べられてしまう……!!それはダメ!



