私の親友は、雨が嫌いだ。
彼女曰く、ジメジメして気分が下がるらしい。

『私は結構雨好きだったんだけどなー』

親友が嫌いな雨が降りしきる中、私は傘をさしながら呟いた。

「えー、だって雨って気分下がんない?!わっかんないかなーこの気持ち」

『だってさ、あんたって馬鹿だから、よく傘忘れて笑いながら入ってきたじゃない』

「あ〜、あったねぇそんな事」

『あんたとの距離が近くなった気がして、私嬉しかったんだよね。言わなかったけどさ』

「言ってよー、相変わらず素直じゃないなぁ〜」

『あんたってお日様みたいな香りしたよね。雨なのにさ』

「やめてよ恥ずかしい(笑)」

『あんたがいたから雨が好きだったんだよ』