「あっ、華蓮ちゃん!今は三年生のクラスがシンデレラをやってるみたいだよ…!」
けれど今の真由は機嫌を直してくれたようで、体育館が着く頃にはむしろ上機嫌に変わっていた。
「今一番いいシーンだ!」
すぐに真由は劇に見入ったようで、大人しく座って舞台を眺めていた。
私も真由の横に座り、舞台を眺めていたけれど。
頭に光原先輩の存在がちらついていて中々集中できない。
まさかあそこまで大胆に接触してくるとは思わなかった。
あの人は意外にもしつこい人なのかもしれない。
これからどう対処すればいい?
そもそも光原先輩から逃げられる自信はない。
これは一度面と向かってはっきり断るべきかもしれないとすら考えてしまうほどだ。
けれどそれが怖いのも事実で。
また甘い誘い方をされてしまえば、きっと揺れてしまう。
そこで完全に傾いてしまえば終わりだ。
今までの努力も全部。
そのためここは引けないと思いながら、午後の当番の時間になるまで真由と劇を見ていた。



