友達はみんな優しいし、一緒にいて楽しい。
男女問わず仲が良いクラスにも恵まれた。

担任の先生も面白く、生徒思いのためこのクラスでよかったとは思う。


それなのにどこか心に穴が空いているように思うのは、自分を作っているからだろうか。

見た目に合ったしっかり者の自分を。



「あっ、華蓮ちゃんだ!」

電車に乗って学校の最寄り駅に着くと、違う車両から降りてきた久本(ひさもと) 真由(まゆ)が私に気づいて名前を呼んできた。


「真由、おはよう」
「おはよう…!同じ電車だったんだね」

そう言って嬉しそうに笑う真由は、ふわふわしていてかわいい。


くりっとした大きな目に似合った白い肌、髪も巻かれていてまさに“かわいい女の子”である。