今夜、キミを独り占め。




もちろん親近感など湧くはずもなく。


「すみません、私行きますね」
「待って、そんな冷たいこと言わない」

じーっと私を見つめてくる彼の目は輝いており、諦めてくれる様子はなさそうだ。


「この間は逃げられちゃったけど、今日は逃さないからね」

「へー、郁がここまで興味持つだなんて珍しい」


光原先輩の友達も助けてくれればいいものの、彼を見て驚いているだけ。

こっちは逃げ出したくて仕方がないというのに。


けれど本当に逃げようとすれば、きっとまた呼び止められて余計に目立ってしまう。

もしついてこられたらと考えると、それだけはどうしても避けたかった。


「光原先輩、用件はなんですか」

それならさっさと話を済ませてこの場を去るほうが賢いだろう。


まあ用件など聞かなくても大体は予想できるのだけれど。