「うん、楽しいよ。
十月に文化祭があって、その準備してるんだ」
そのため九月の放課後は、ほとんど文化祭の準備で忙しい。
私たちのクラスは縁日のようなもので、輪投げや射的、スーパーボールすくいにダーツといったミニゲームが たくさんできる出し物に決定した。
縁日をするクラスは他にもあるため、私たちのクラスは負けられないぞと燃え上がり、クオリティーの高さを求めている。
「文化祭か。
確かにそんな時期ね」
お母さんも来てくれないかなと思ったけれど、もちろんそんなことは言わない。
そもそも親が文化祭に来るだなんてあまりいないだろう。
「人が集まるように、クラス一丸となって頑張ってるから準備の段階でもう充実してて楽しいの」
「そう。楽しそうで良かったわ」
うん、楽しい。
学校は楽しいけれど、たまに疲れてしまう。
その理由は口にできないまま、お母さんと食べる朝ごはんの時間は終わった。



