「独自の感性です」
「へぇ、じゃあ教えて。君独自の感性」


ここで諦めてくれれば良いものの、光原先輩は深く聞いてきて。

逃げられない状況だ。


「光原先輩を見かけるたび、いつも思うんです。“綺麗だな”って。

表情や纏う雰囲気に無駄がなく、乱れることはない。だからいつも“綺麗”だと思ってます」


乱れのない完璧な“何か”は綺麗に見えるものだ。


例えば咲ききったバラなどの花も、ドラマや映画に出てくる人たちだって。


「……確かに独特な感性だね」
「あっ、不快にさせたらすみません…」

だって良いように言えば“綺麗”であり、悪く言えば“機械的”や“ロボット”とも捉えられてしまう。