今夜、キミを独り占め。




それでも光原先輩のうしろを歩き、本館の屋上へと向かった。


「わっ、すごい…」
「もしかして屋上に来るのは初めて?」

「はい。入学してから一度もないです…そもそも入れたんですね」


屋上というものは入れないものだとずっと思っていた。


「まあ17時には閉鎖されるけど、それまでは開いているんだ」

「知らなかったです…景色、いいですね」


普段は見えない街の様子が視界に映って変な気分だ。

何より今日の天気はいいため、青空が一望できる。
このような贅沢は中々ないだろう。


「気に入ってくれた?」
「はい、とても」

気づけば緊張がほぐれており、光原先輩とまともに会話することができていた。


「良かった。
ここなら気楽に話せるかなって」

感情のない笑みに見えるけれど、彼の優しさで私をここに連れてきてくれたようだ。