今夜、キミを独り占め。




とりあえずホームルームが終わってから、本館へ行こうと思った私。

目立たぬよう、二年の教室に行けばいいかなと思っていたけれど───


ここに来てまたひとつ、新たな問題にぶち当たってしまう。

それは光原先輩のクラスを知らないことだ。


これは一番重要なことである。
最悪だ、クラスがわからないんだと意味がない。

光原先輩のことを『かっこいい』と騒いでいる女子はいるが、もし彼のクラスを聞けば確実に『どうして知りたいの?』と質問されることだろう。

最悪の場合、誤解を招いてしまう恐れだってある。