ひとりの時間を紛らわせたいから、何かに没頭したいというのに。
寂しい日々だけが増えていく。
学校が終わると家に帰り、家事をして勉強をして本を読んで。
少しスマホをいじってテレビを観るの繰り返し。
何もつまらない。
そもそも寂しさなど埋まるわけがないのだ。
「……はぁ」
増えるため息の数。
そんな自分も嫌になるため、立ち上がってキッチンへと向かう。
夜ご飯を作ろうと思ったのだ。
今日は生姜焼きを作り、自分が食べられる量のご飯をよそう。
それからお茶を入れ、テーブルに移動してご飯を食べ始める。
特に興味のないバラエティ番組を見ながら食べる夜ご飯は美味しいと思わない。
理由はわかっている。
ひとりだからだ。
だってお母さんと食べる時は本当に美味しい。
お母さんが作ったものだとさらに増す美味しさ。
そう思うと泣きたくなったけれど、我慢して私は生姜焼きを食べ進めた。