「ううん、私も気づいてあげられなくてごめんね。華蓮ちゃん、しんどかったのに」

しゅんと落ち込んでしまうものだから、慌てて真由の頭を撫でた。

今の言葉に少し泣きそうになったのを我慢しながら。


「私も平気だと思ってたんだけど、急にしんどくなっちゃって…だけど今はもう大丈夫!」

「本当?」
「本当!ごめんね、わざわざきてくれて」

「じゃあ一緒に帰ろう?
私ね、華蓮ちゃんの荷物持ってきたの。ほら!」


そう言って私の鞄を差し出してくれた。
私のためにって思うと嬉しい。


「……ありがとう」
「うん!」

にこにこ笑う真由は純粋で、本当にいい子。
そんな彼女の友達で良かったと思う。


「金城先生、今日はありがとうございました」
「ああ。気をつけて帰るんだぞ」

最後に保健室にいた先生に挨拶をし、私たちは帰路へついた。