「待て、泣かれると困るぞ俺は」
「すみません…」


急いで涙を拭った時、タイミングよく体温計の音が鳴った。

確認すると、37.6度と表示されていた。


「あー、やっぱ熱あるな。
ほら、とりあえず寝とくように。

今日はもうゆっくりすればいいから」


金城先生は一度、私の頭にぽんと手を置いた後パイプ椅子を元に戻しカーテンの外へと出た。

私は素直に横になり、目を閉じる。


“人に頼ることが悪いことではない”


でも私は頼るようなタイプじゃないと思われている。

それにいつまでも甘えるような子供では、親も呆れるだろうと。


「……無理だ」

やっぱりここは我慢して高校生らしくならねばと思い、気づけばまた眠りに落ちていた。