案外本音を言いやすい人かもしなれない。
だから光原先輩もここに通っているのだろうか。
「でも余計な心配をかけさせたくないんです」
親にも友達にも。
タイミング悪くお母さんは出張中である。
私がしんどくて学校を休んだと知ったら、少なくとも心配をかけさせてしまうだろう。
いや、どうだろう。
お母さんは私のことを心配してくれるかな、なんて。
「あのな、えーっと…」
「……笹野です」
「そうだ笹野。ひとりで何でもできると思ったら大間違いだぞ。俺だって養護教諭として働く中で、色々な人たちに支えられてんだ。
別に人に頼ることが悪いことじゃねぇし、ダサいことでもねぇ。親が知ったら悲しいぞ?苦しいくせにひとり抱え込んでる笹野見て」
うんうんと頷きながら話す金城先生の言葉は、自然と胸に刺さり。
気づけば目から涙が溢れていた。



