「自分で助けたかったんだろうね。
君に恩でもあるのかな」
心当たりはあった。
けれど、男子に絡まれていた真由を助けただけである。
たったそれだけだ。
それなのに真由は、今までずっと私を救おうとしてくれていた───?
「あの子には素直になればいいんじゃないかな」
「……え」
「ひとりぐらい心許せる女友達がいたほうがいいだろうし。例えば俺とのことで相談するとか」
「……喧嘩する前提ですか」
「一方的に怒られそうな気がするけどね」
なんて、冗談を口にして笑った光原先輩につられて私も笑う。
光原先輩の言う通り、真由には全部さらけ出していいのかもしれない。
「まあ久本さんにとられないよう、俺が君を独り占めするからね」
私の腕を引き、そっと抱きしめられる。
簡単に解けそうに思えて案外力は強い。



