「ど、どこで聞いたの?」
「今学校で噂になってるらしくて…!
やっぱり本当なの?やだよ、華蓮ちゃんが…」
「残念ながら本当だよ、久本さん。
諦めて事実を受け入れようね」
明らかに油断していた。
まさかここまでするとは思っていなかったからだ。
背後から気配を感じた時にはもう、後ろから肩を抱かれていて。
「おはよう、笹野さん」
耳元で光原先輩の優しい声がした。
「……っ」
思い出すのは、あの夜道を歩いた日。
ドキドキと鼓動が速まった気がした。
ざわざわと騒がしくなる教室。
いや、教室の外もうるさい気がする。
これはもう光原先輩が大々的に広めたのだろう。