「……ゆっくりでいいと思ってたけど、やっぱり変更で」

「えっ?」
「俺は君を今すぐ自分のものにしたい」


真剣な瞳が私を捕らえる。
まるで逃げることが不可能である獣のように。


「どうして急に…」

「誰にもとられたくないんだよ。
早く独り占めしたいから」


危機感を抱いた時にはもう、彼の腕の中に私がいた。


「な、にして…」
「君はいつになったら俺に堕ちてくれる?」

思わず見上げれば、野性的な表情が視界に映った。
今すぐ噛みつかれそうな勢いである。