先ほどから送信ボタンの近くで指が彷徨っていた。
どうしよう。
光原先輩は“都合のいい女”と思い呆れるだろうか。
やっぱりやめようと思った私は、今度こそ電源を切ろうとしたけれど───
「華蓮ちゃん!
今からみんなで写真撮ろうって…」
「…っ!?」
突然背後から声をかけられ、驚いた私は勢い余って送信ボタンを押してしまった。
その結果、都合のいいメッセージが光原先輩に送られてしまう。
「華蓮ちゃん…?」
「あっ、ごめん!写真だよね、撮ろう撮ろう!」
焦った私を見て様子が変だと気づいたのか、首を傾げる真由。
けれど私は話題を逸らそうと思い、真由の背中を押してクラスが集まる場所へと移動した。
それから集合写真を撮り終えると、スカートのポケットに戻したスマホが継続的に音を立てていることに気がついた。



