「でも君もだよね?
唯一甘えられる相手が俺、バランス良いね」
頭を撫でていた彼の手がゆっくりと滑り落ち、私の頬に添えられた。
かと思えばそっと額をくっつけてきて。
ぐっと近づく距離。
整った綺麗な顔が視界いっぱいに広がった。
「ねぇ、もう他の女なんていらないね。
君だけで充分満たされるから」
「……満たされなくなったら?」
「どうしてそんな不安気なの」
かわいいねって、笑いかけられるけれど。
不安なのだ。
女遊び常習犯の彼に、いつか捨てられそう。
別に付き合ってるわけではないため余計に。
「俺たちもう恋人関係なのに。
だから不安にならないで、終わりなんてないよ」
「……へ」
頭が真っ白になる。
光原先輩の言葉があまりにも衝撃的で、すぐには理解できないものだったから。



