「明日は休みだから、君のお母さん飲みに行ったりしないかなぁ」
「そしたら私、ひとりじゃないですか」
「何言ってるの、俺の家に泊まるんだよ」
ああ、それは…って、不覚にも惹かれてしまった。
ダメなのに。
これ以上依存しては、歯止めが効かなくなってしまう。
「泊まりません」
「つれないなぁ。
本当は俺と一緒にいたいくせに」
頬を何度か光原先輩の指で突っつかれる。
もちろん痛くはない程度だったけれど。
「そんなこと…ない、こともないです……」
「ふはっ、正直者さんだね」
「でも、あまり一緒にいたらダメなんです」
「……それはどうして?」
私を優しく包み、ひどく優しい声で質問される。



