今もベッドの上で私をぎゅっと抱きしめる光原先輩。
これだとどっちが甘えたいのかわからない。


「次の試合は何時からの予定ですか?」
「あと30分後くらい」

「なら早く行きましょう」
「はい、目を閉じようね」


私の話を一切聞かず、欲望のままに求められる。

けれど正直、光原先輩のキスは嫌いだ。


「嫌です。
あれから会うたびにキスされてます」

初めてキスをされてから、光原先輩と会えばお決まりでキスをされる。


「嫌じゃないよね?」
「嫌じゃないですけど…嫌いです」

「んー、矛盾だね」
「だって光原先輩のキスはおかしくなります」


これをうまいキスというのだろう、唇を重ね合わせるたびに気持ちがいいと思ってしまう。

恋人のような行為にハマってしまいそうで怖い。