「んー、誰もいないからいいじゃないですか」
「バカか、俺がいるだろ。うざいんだよ」
「別に付き合ってるわけじゃないんで大丈夫です。ね、笹野さん」
同調してほしそうな光原先輩。
仕方なく、一度だけ頷いた。
「ほら」
「今この子無理矢理頷いただろ」
はあ、と盛大なため息を吐く金城先生は心から彼を呆れている様子。
「金城先生ってうるさいですね」
「お前がサボリ魔だからな」
「2回しかサボったことないですって」
サボりを経験したことがない私は、どうしても“2回しか”という言葉を理解できない。
サボってしまうと普通、罪悪感などを抱くものではないだろうか。
「1とゼロは違う」
「今日はもちろん授業に行きますよ、その前にエネルギー補給で」
エレルギー補給が私?
なんというか、自由気ままな人だ。