今夜、キミを独り占め。




「じゃあこっちにおいで。
髪の毛乾かしてあげる」


この時間帯に似合っている、色気すら感じるその微笑み。

私は惹きつけられるようにして、彼のほうへと向かう。


誰かに髪を乾かしてもらうだなんていつぶりだろう。
新鮮で、それでいて変に緊張する。


光原先輩の髪に触れる手つきは優しく、なんとなく目を閉じた。


「髪、サラサラしてるね」
「そうですか?」

あまり意識したことのない自分の髪は、彼曰くサラサラしているらしい。


特にこれといった会話をせず、ただ大人しく乾かしてもらって10分ほどが経ち。


「はい、できたよ」

光原先輩の言葉で髪が十分乾いたのだとわかった。